■ 抄録・要旨
| ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)による埼玉県内の河川の汚染原因を解明するため、35河川38地点の河川水、8検体の下水処理場放流水、6検体の農業集落排水処理施設放流水についてPFOS、PFOA及びそれらの前駆物質濃度をLC/MSとGC/MSで測定した。
ほとんどの河川水からPFOS、PFOAが検出されたが、前駆物質は検出率、濃度とも総じて低かった。PFOS、PFOA濃度は、2〜3年前の調査時よりも減少した。流域人口(下水道人口を除く)密度と当該流域の河川水のPFOS、PFOA濃度との間に正の相関が見られた。全ての下水処理場放流水と農業集落排水処理施設放流水からもPFOS、PFOAが検出され、一部にはそれらの前駆物質も含まれていた。したがって、これら生活系排水処理施設放流水が河川のPFOS、PFOA汚染の一因であることが示唆された。
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